管理人のひとりごと
2015-03-11 |
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中国からきた自転車たち(管理人のひとりごと) |
今年も3.11がきた。もう4年になるが、まだ復興は続いている。震災当時、 各地で自転車が活躍したことは記憶に新しいが、中にはゴミかと思うような 中古自転車まで送られ被災地ではありがたいけれども迷惑な話があちこちで あったとのこと。それでも電車やバスが動かず、がれきの山を自転車で走り まわれてどれだけ助かったか、という話を聞くと少し救われる。 さて、先日「ひるおび!」に出演した際にネットではなく自転車店で直接 顔を見て買って欲しいとお願いしたのだが、組み付け精度の良し悪しで同じ 自転車でも差がつくという話をし忘れた(時間がなかった)。翌日のブログ で書いたのだが、ふとスーパーやホームセンターで売られている安い中国製 の自転車は、いったい誰が組み付けをしているのかが気になったので、友人 で自転車店を営む井上 一さんにお願いして実際の荷下ろし作業を見学させて もらうことにした。ほぼ完組みで来て、店頭でハンドルを調整し、ペダルを 取り付けて即販売という流れができているという。どんな様子なのか、想像 しながら今朝を待った。 問屋さんで荷下ろし開始直後の写真だが、コンテナのドアが当たる部分に 緩衝材の段ボールが置かれているのが見える。中国から完成車を取り寄せる 方式に変わってから(それまでは大阪堺から部品で送られてきた時代があり) 年々中国の梱包・輸送準備作業も質が向上して、歩留まり率は95%以上だと 教えてもらう。写真では分かりづらいが、自転車は立てた状態で上下2段、 その上に横積みになってコンテナ天井までギッシリ詰まって運ばれてくる。 作業する問屋の社員さんたちは手際よく上から順々に下ろしていくが順番を 間違えると荷崩れするのだそうだ。 下ろした自転車は互い違いに置いて詰めて並べていく。順次小売店へ向け 卸していくのだが、それまでの置き場所がないと問屋さんはできない。雨の 日はカバーを掛ける手間が増えてさらに大変なのだそうだ。今日の自転車は 店頭価格で1万円前後の、いわゆるママチャリ。このところの円安もあって 原価が大幅上昇していて7,000〜8,000円台だというから大して儲からない。 それでも、この価格帯の自転車はコンスタントにニーズがあるから薄利でも 扱うのだそうだ。 作業開始から約1時間で荷下ろしは完了。我々は礼をいって退散したが、 何事も現場百回で、知らないのと知っているのでは大違い。百聞は一見に 如かずという言葉通りの経験をさせてもらった。中国製の自転車は粗悪品 も多いというイメージはあるが、日本向けの仕様としてサドル、ブレーキ、 ハブ(車軸)は日本メーカーが中国で作った部品が標準搭載されるらしい。 確かにBAAマークは貼ってないが、今回見たママチャリは値段相応の商品 で粗悪品とは思わなかった。細かな仕様変更にも応じてくれるようだが、 変更するにもコンテナ1台分(240台)買うのか、と訊かれるのだそうだ。 代金は前金で港払い、中国本土でも奥地で生産した自転車は安いが、反面 輸送コストがかかるので悩ましいとのこと。ふむ、知らないことばかりだ。 見学終了後、さいたま市内の自転車工房いのうえに場所を移して自転車 談義に花を咲かせた。定休日なのに私に長時間付き合ってくれた井上さん、 本当にありがとう。自転車業界の常識を少しずつ変えていきましょう。あ、 そうそう。自転車工房いのうえ に安い自転車は置いてない。安い自転車を 求める方は量販店で買えばいいと思うから。その代わり、完組みで届いた 自転車でもグリスアップやワイヤー詰めをやってから販売しているそうだ。 さすが、見上げた職人魂である。自転車はこういうお店で買いたいものだ。 自転車工房いのうえ 管理人 拝 |
Posted by 内海 潤 at 07:28:45 on 2021/03/05 |
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